マレーシアに行くことになったけれど、現地の人と何を話せばいいの?
せっかくだから現地の人と話したいけど、何がOKで何がNGなんだろう?
留学、駐在、ご家族の同伴、現地採用etc…
現地についたら、現地の人とのコミュニケーションは生活に大きく関わる要素のひとつですよね。
今日は、マレーシア人への“アイスブレイキング”の話題ときっかけにちょうどいいトピック&OK、NGの話題のお話です。
現地で何を話せばいいか、食堂や移動などで居合わせた人とのちょっとした会話に困った際にご利用ください。
また、マレーシアには、マレー系、中華系、インド系の3大人種の他に
ボルネオの民族(カダザン、イバン等)や原住民の人種の出身の人もごちゃ混ぜになっており、それぞれ言語や文化の背景が違います。
見た目だけで誰がどれだか分からない方には、一番最後に見分け方や失礼のない聞き方もご紹介します。
※1 これらは、私が留学1年+就職約4年+その他複数回の渡航の間にオフィスやご近所、タクシーや友達の家族親戚友人…に「よく聞かれた=向こうが聞きがちな」話題を集めたものであり、その人種間でこのトレンドがあるなどと決めつけるものではありません。
※2 ご紹介するものは、あくまで個人の感覚です。当たり障りのないものを紹介していますがこれで会話がうまくいかなかった+相手を不愉快にさせてしまった等の責任は取れませんのでご自身の判断にてご使用ください。
<マレー系の人がよく話す会話>
基本的におっとりしていて、家族や実家が大好き。イスラム教徒でマレー語を母語とする彼らが話しやすい話題はこちら
家族の話
・日本よりも俄然と大家族の出身が多く、家族、親戚の数も多く基本的に親密なので、家族構成やきょうだいの数、一番下は何歳か?など
・5人きょうだい程度ならそんなに珍しくありません。たまに10人(!)とかいます。
数が多いことに驚くのは全然失礼に当たりません。むしろ、買い物や家族旅行どうしていたの?なんて聞くと楽しそうに色々答えてれます。
・子供はいるか、いたら何歳か、いなかったら甥っ子や姪っ子はいるかなど、
国によっては「子供はいるの?」は失礼に当たりますが、マレーシアではごく普通の話題です。
当たり前の自己紹介感覚でこの質問は出てきます。
・大家族で育っている人多めなので、基本的にちびっこの話が大好きな人が多い印象です。
出身地の話
・出身地はどこか、何が見どころかを聞くと、自分の地元の話とおすすめ観光スポットやらお気に入りの場所を教えてくれます。
・基本お人好しなので、オススメを聞いてもガイドブックに乗ってる万人ウケしそうなものがだいたい返ってきますが、
あなた個人の超独断オススメは?と聞くと以外と面白いものが発掘できます。
・出身地で美味しいものは何か聞くと、マレー料理のおすすめが聞けます。
好きなものとその地域でしかないもの、どちらも楽しそうに答えてくれます。ただ、イスラム教徒の食べられない中華料理の話題は避けましょう。
・帰省大好きなので、その街に行くには何時間かかるか、渋滞を避けるオススメの時期や、その街に行くまでの寄り道スポットなんかも詳しいです。
車の話(男性限定)
・超絶車社会のこの国で、マレーシア人、特にマレー系は車やバイク好きがすごく多い印象です。
・日本車だと何がここで有名か、車は何を持っているか、いつか乗ってみたい車は何かなどよく聞かれます。
・マレーシアのローカル車のブランドは、Proton(プロトン) とPerdua(プルドゥア)です。
マレーシア人がマレーシア国産車を好きじゃないという問題もありますが、ラインナップやどういう車か、これらに対してどう思うかの意見なんかも答えてくれます。
宗教の話(取り扱い注意)
・マレー系は100%イスラム教徒です。イスラム教徒は何が食べられないの?それはどうして?などは聞いてOKです。
・ラマダーンの断食って何?どうやるの?あたりも聞いてOK
<超重要>ただし、絶対に否定や反対の言葉を言わないように。
また、意見は絶対にやめましょう。ここを踏み外すと大変なことになります。
ただし質問だけなら全くセンシティブでもなく、むしろ興味を持ってくれていることを喜んでくれる人も多いです。
中華系マレーシア人
チャイニーズとはいえ、もうすでに彼らは移民4−6世。本土の中国人と一緒にされるのをひどく嫌う人が多い印象です。
本土の中国人よりのんびりしていると自認している人が多く、マレー系よりはずっとビジネスライクです。
副業、ビジネスの話
・自分のビジネスまたあはサイドビジネスはしているの?する予定はあるの?というと、けっこうびっくりするくらいみんな何かやっていて、少しの会話だけの間でも、フレンドリーに教えてくれる人が多かったです。
・サイドビジネスのおすすめはある?というと、最近のホットな副業を自分たちの意見つきで解説してくれます。
・いつかビジネスやりたいなー。とか思うの?と聞くと、笑っちゃうくらいみんな野望を持っています。やるかやらないかは別として
・今の仕事は何?今後のキャリアの夢は?という話題もOK。初対面でもOK。たっぷりお話聞かせてくれる人が多いです。
お金の相場の話
・マレーシアって家が高いみたいね、車が高いみたいね。と聞くと最新の家や車の価格事情を結構詳しく教えてくれる人が多い印象です。
・この場所の家っていくらくらいなの?この車っていくらくらいなの?と聞くと、なぜかだいたいみんな相場を知っています。
他にも何がいくらかはだいたい知っていますし、〇〇っていくら?という質問は日常茶飯事です。
・自分の会社や取引先じゃない場合、お給料がだいたいいくらくらいなのか聞いてもOK。場合によっては自社の人でもOK。ただし、聞き返されるのは覚悟の上です。
・Richは褒め言葉なので、持ち物でいいものを持っていたら、わぁー!すごいね!リッチだね!という会話が非常に多く起こっている印象です。そのあと、いくらしたの?って聞いても大丈夫です。
中華料理のオススメ
・ムスリムの食べられる”ハラル料理”は美味くないと思っている人も多いので、マレーシアの中華料理のお勧めをみんな持っています。
・中国本土の話は言っても伝わらない場合が多いので、マレーシアの中華にフォーカスしたお話がベター。
・基本的に辛いのが東南アジア料理ですが、中華は辛くないのも多いので、辛いのが苦手なんだけどおすすめある?なども喜んで答えてくれます。
・中華でも、福建・客家・広東・海南などいろんな種類がごちゃ混ぜなので、君は何系?そのおすすめは?と聞くのも◎。
政治の不満を聞きまくる(取り扱い注意)
・マレーシアでは、非マレー系の人が不利になるような法律や政治が残念ながら今でも続いています。
・マレーシアにもう何世代も住んでいるのに、このような”マレーシアはマレー系の国”を彷彿させる政治に不満を持っている非マレー系は非常に多い印象です。
・マレーシアの政治事情が違う視点で学べるとはいえ、政治の話なので、取り扱いは注意してください。
<インド系>
南インド・主にタミル人のルーツ。こちらも本土のインド人と一緒にされることを嫌がる人が多めの印象です。
出稼ぎのバングラデシュ人などと決して一緒にしないように。(見た目が似てても)非常に失礼に当たります。
あなたも大変ね。という態度
・仕事はどう?家族はどう?大変?と聞くと、基本的に話したがり屋さんなので、何が今大変かを意見も含め色々語ってくれます
・忙しい?と聞くと、だいたい自分が時間を割いて頑張っていることをシェアしてくれます。
・この類の質問をすると、愚痴が返ってくることが多いですが、本気で嫌がっているのではなく、ただ感受性豊か&話したい印象を受けています、否定や意見は言わずに共感を求めているようなことが多い印象です。
“マレーシア”のタミル文化
・マレーシアの他の人種とは違う、ただ本土のインド人とも違うアイデンティティを大切にしている印象です。
インドの話ではなく、本土とマレーシアン・インディアンの違いにフォーカスした質問は喜んで答えてくれます。
・マレーシアでもインド系は少数派なので、インド文化に詳しいマレーシア人は彼らだけと言っても過言ではなさそうです。
・ディパバリー(詳細はこちら)、タイプーサム(詳細はこちら)って何?どう過ごすの?などの質問も受け入れてもらえやすかったです。ただし、タイプーサムは過激なので「あんなんアホだ」という人も結構います。そういう答えが返ってきたら、なんでそう思うのかを傾聴するのもありかもしれません。
・タミル人がマジョリティですが、結構他の南インドのルーツも混ざっています。南インドだけでも言語は数十種類あったりするので、他に話せる言語はあるのか、本土との違いはあるのかなどの質問もオッケーです。
・おでこのポチやペイントは何か?その意味は?それをしていない人はなぜしないのか?なども色々教えてくれます。
※本土との違いを誇っている人も多いので、“同じインドじゃん!”は禁句です。
インド飯
・マレーシアのインド料理のおすすめを聞くと、カレー以外にも続々出てきます。
・お酒好きか全く飲まないかが偏っていますが、どんなお酒が好きで、何がオススメかを聞くと、自分や周りのお気に入りのお酒を教えてくれます。
・辛くないインド料理はないかor辛いもの好きのインド料理は何がおすすめかなども詳しく教えてくれます。
<ボルネオ(サバ州・サラワク州)の方々>
マレー系・中華系・インド系という大まかな分け方は実はマレー半島のみの常識。ボルネオ等には数十・数百の少数民族が混じっていて、一括りにできないほどごちゃ混ぜ。クリスチャン多め。地元愛が半端ない人が多めの印象です。
また、ボルネオ島の州には半島マレーシア人でも3ヶ月までしか居られない&それ以降は滞在許可がいるので、ほぼ外国状態。ボルネオ出身者しか知らないマレーシアがそこにあります。
ボルネオの話
・サバ・サラワクの出身だという人には、サバ・サラワクはサイコー(だったorって聞いたよ)と言うと、それだけでとても優しくしてくれる人がとても多かったです。
・マレー半島のマレーシア人が居ない場合は、半島よりも全然いいって聞いたorよかったよ。と言うと、さらに地元愛を語ってくれます。
・どの民族の出身?と聞くと、聞いたことないような民族名が飛び出すことも。
中には、家族の中でも父と母で部族が違い、それぞれの違う宗教をきょうだい別に習わせ家庭内でも宗教がバラバラ。と言う異常なまでの多様性があるのもボルネオ出身の人では少なくない印象です。
・サバ・サラワクのオススメスポットの回答は、おそらくエンドレスで返ってきます。
・3大人種(マレー・中華・インド)に該当するボルネオ出身者でも、マレー半島人とは違うなど誇りを持っている人も多いので、何が違うかなどを聞いてもオッケー。
※強すぎる地元愛がゆえにマレー半島人より自分の方が上だ。という人も居ますが、それだけ地元が好きということで、正解不正解は別として否定せずに聞いておくことをお勧めします。
タトゥーの話
・各部族別でタトゥー文化があり、3大人種でない限りだいたい皆さんそれぞれ部族のタトゥーが入っています。
・タトゥーにも意味があります。タトゥーが入っている人には、その意味を聞くといろいろ教えてくれます。結構深い意味だったりもします。
・ボルネオで有名な、ハンドタッピングという、ハンマーと針で行う手動のタトゥーもあります。所要時間や痛み、マシン派なのかハンドタッピング派なのかは皆さんそれぞれ違う感想を持っているようです。
サバ・サラワク飯の話
・サバ・サラワクにはマレー半島にない“ボルネオ飯”が数多くあります。オススメや半島だったらどこで食べられるかなども教えてもらっちゃいましょう。
・海の恵み・森の恵みが豊富。新鮮でやたら安いです。オススメの地元の海鮮料理屋さん&地元の料理屋さんをみんなだいたい持っています。
・自分の出身地の郷土料理への愛情もやたら強い人が多め。その場でしか試せないようなものも多いですが、自分の地元の誇りメシへの愛情もなかなかのものです。
<マレーシア人全体>
メシの話
・上でも全ての人種別に入っているのがメシの話。そもそもマレーシアそのものが結構“メシの国”なので、とにかく自分の郷土メシの話をふっておけば間違いないです。
メシの話
・繰り返しになりますが、自分の郷土料理以外にも、マレーシア全土&自分の人種や出身地以外のメシについてなども皆さんそれぞれ意見をたっぷり持っています
メシの話
・しつこくてすみません。他にも、マレーシア人の選ぶ日本食や、マレーシア人の選ぶ他の国の料理、日本人視点でのお気に入りのマレーシア飯などの話も喜ばれます
とにかく、メシの話をしておけば間違いないと思います。
アイスブレイキングだけでなく、仲良くなってからもメシの話題は日常です。
また、How are youの代わりに、もうご飯食べた?と聞いてくる人もいます。それくらいメシの話は日常に根付いています。
普通に食べたか食べてないか、何を食べたかやこれからだけどおすすめある?など、そのままメシの話に発展させてオッケーです。特にこの質問に深い意味はありません。
<NG話題集>
質問以外の宗教の話・意見
・あなたは何教なの?それってどういうの?までは全く問題ないですが、自分の意見を言ったり、意見を求めたりするのはよっぽど仲が良くない限り(というか仲よくても)避けて方がいいです。かなりセンシティブな人も多いです。
・イスラム教徒に、お酒飲んだことある?などの質問も嫌がられる場合があるので、個人の質問や信仰度合いの質問はやめておくのが無難です。
・マレチャイにはクリスチャンと仏教徒がいます。チャイニーズ=仏教だと思うと不快に思う人もいるので取扱注意。
他の人種の話
・これは地雷です。よっぽど仲が良くない限り、向こうが話してきても共感以外の意見は言わないほうがいいです。
・マレー系に中華を聞いてもわからないですし、マレチャイにマレー文化を聞いてもわからないのが一般的です。
同じ国でも交わらない共生をしているので、よその文化の質問をしても純粋に知らないので困らせる場合があります。
・他にも、マレチャイやインド系は本土の人と一緒にされるのも嫌がるので、同じマレーシア、同じ中国、同じインドなど一括りにすることは失礼になる可能性が大いにあります。
※他の人種の話で唯一オッケーなのは、メシの話だけです。
マレーシアの悪口に乗っかる
・結構マレーシア人が自分の国を悪くいうことも多いですが、一緒になって悪口をいうのは違います。
「でもそんなこの国も好きよ」というニュアンスが多く、あまり一緒に悪くいうのはおすすめできません。
・渋滞が嫌い、大気汚染が嫌い、暑い、路地裏が汚いくらいの文句は全員思っている共感項目なので全然問題ありません。
・マレーシア好きなんだよね。というと、「なんで?どうしてこんな国が好きなの?」と聞かれる率高めですが、その際は「渋滞と大気汚染は嫌いだけど、メシが美味いから好き。」で万事解決です(私個人では説得率100%を記録しております)。
物価が安いという褒め言葉
・マレーシアが安いのは、マレーシアより先進国の人の特権です。
地元の人にとっては全く安い国じゃないので、あんまり安い安いと褒めないのがベター。
・シンガポールや中国からの物件爆買いにうんざりしている人も多い&金持ちと思われると面倒なこともあるので、あんまり安い国だと言わない方が賢明です。
相手の英語を訂正する
・これも結構地雷です。結構間違った英語や、間違った知識を話す人がいますが、現地の人は“伝わればいい”程度で話をする&受け取るので、訂正は少し怖い印象を与える危険性があります。
・“良かった”はなんでもBest。HeとSheの区別がつかない、などはよくありますが、理解できる限りは自ら訂正するまで黙っておくのが賢明です。
・訂正するということは“伝わればいい”に満たない=”あんた意味不明”くらいに強く受け取ってしまう繊細な人もよくいます。
参考:ふつうのマレーシア人の英語のレベルはこんなものです→(詳細はこちら)
<おまけ:マレーシア人の人種の見た目の特徴とは>
↑マレー人の親子。小さい子はスカーフを被りません。
慣れてくると見た目ですぐにわかりますが、最初のうちは難しいですよね。
そんな時の、マレーシア人の見分け方(見た目・名前)があります。
そもそも、わからなければ 「ごめんね、来たばっかりでまだ詳しくないんだけど、あなたの人種は?」と聞いちゃって大丈夫です。誰も怒りません。
先進国などでは人種やルーツの話はタブーですが、マレーシアではそんなこと全然ありません。
また、見た目でサバ・サラワクの判別はかなり難しいので、出身地は普通に聞いてしまいましょう。
<マレー系>
・茶色の肌で、目がぱっちりしていて、露出の少ない服を着ている人が多いです。
・女性で、スカーフ(ヒジャブ・トゥドゥン)を被っている人。
※たまにインドネシア、アラブや南アジアのムスリムもいます
・男性で、白い丸い帽子(丸い筒型だったり、河童のお皿見たいな形)を被っている人。
※たまにインドネシア、アラブや南アジアのムスリムもいます
・名前にムハンマド、アリ、アブドゥッラ(男性)ヌル、シティ、ファティン(女性)が入っている場合がとても多いです。
<中華系>
・東洋人っぽい見た目、女性はミニスカやショーパンなど結構大胆な服装が多め
・英語も中華訛りが強め。
・名前は漢字でもアルファベットでも3部構成(苗字ひと文字+名前ふた文字)。
・英語の名前を使っている人の大半は中華系で、英語の名前は自称と実際に親からつけられた名前かは本人に聞くか身分証を見るまでわかりません。
<インド系>
・色の黒い人が多め&目鼻立ちが超はっきりしている。
・女性はカラフルな服が多め、インドの民族衣装を着ているわかりやすい人も。
・名前にA/L(男性)A/P(女性)が入っていればだいたいインド系。
・おでこにポチがあればインド系。ヒンドゥー教徒。
<ボルネオ出身者>
・人種が多すぎて識別不能。ただし、不思議な模様のタトゥーが入っていればボルネオ人かも。
・どう見ても見た目がマレー系なのに、名前が英語名の人はボルネオ率高め
・ボルネオ人でも、3大人種(マレー・中華・インド)は見た目・名前だけでの識別は非常に難しいので、直接聞くのが一番手っ取り早いかと思います。
マレーシアに降り立った際は、ぜひ話題のきっかけに試してみてください。
p.s.こんなことを書いてみましたが、学校も職場もほぼ全員ローカルに囲まれても、最初の1−2年は地元の人とは実はあまり打ち解けられませんでした。
これらを感覚でやっと理解できるようになってから初めてわかるところも多いので、あくまでアイスブレイキングの参考程度で、攻略法や会話マスター術ではないことをご了承ください。
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