バックパッカー旅のすすめ#2:旅の魅力、メリット・デメリットとは?

19歳で旅に魅了されて、当時は取り憑かれたかのように旅を中心とした生活をしていました。
本気で死ぬまで旅人な気がすると思ってました。

嬉しいやら悲しいやら、10年経って変わったのは旅のスタイルだけで、結局マインドセットはあまり変わっていません…。

私だけでなく、旅人・バックパッカーは本当に旅をオススメしたり、旅に情熱を持っている人が多いんです。

なぜ旅人がここまでオススメするのかの理由は、
簡単に言えば”人生が良くなるから”なのですが、旅をすることで実際に得られるものやなぜ良くなるのかの詳細を紹介したいと思います。

旅の精霊に取り憑かれた敬虔な旅人(😅)として、
旅のメリットと、デメリットを公平にお話しするとこうなります。

景色や体験の話をしだすと止まらないので、体験から得られるメリットとデメリットを選びました。

目次

メリット1:生きてゆくのがラクになる、人にも自分にも優しくなれる

旅の最大のメリットって、とにかく知らないことを知ること。そして、自分の常識や信じるものの棚卸しができること。

今まで自分の常識だと思っていた事が崩壊してゆき、新しいアイディアが次々と湧いて来て、何か突っかかっていたアレやコレがふわっと消えてゆきます

これ”しか”知らない人がいる。
これ”しか”読めない人がいる(例:السلام عليكم)。
この村の外に出たことがない人がいる。

午後3時集合で、早くまたはぴったりに着くと失礼と言われる場所がある。
連絡せずに遅れるのが常識な場所がある。
白は結婚式の色?お葬式の色?場所によって答えはさまざまな場所があり
計画も仕事もなくテキトーに旅してるけどなぜかお金はちゃんとあるストリートミュージシャン

…もう、とにかく親や先生、先輩、上司、本、教科書やテレビの言ってた事が通用しないんです。

それでも世界って成り立っちゃうんです。
自分の知っている範囲で受けるストレスって、自分の知らない場所にいくと自然と消えちゃうんです。

みんなに怒られるアレやコレ、頑張って直さなくても旅するだけで気にならなくなっちゃうんです。だって、世界はそれを気にしてないから。

自分の日常のハコの外を見ると、今まで思いつきもしなかった様々な新しくやりたいことや生き方を思いついたりもします。

日常に帰ってもそのハコの開け方を知っているだけで、ちょっとしたことが気にならなくなるんです。

自分や周りの常識は、ただの個人の感想。無理ならそれが通じない逃げ道を私は知っている。これだけで、人にも自分にも寛容さが増した気がします。

メリット2:友達が増える、語学力が伸びる

旅人になると、
あの場所でこんなことやった、
この国でこんな人に会った
…そんな話がさらさらと誰にでもできるようになります。

だって、経験談だから。そして、こういったトピックが好きな人は意外と多いんです。

”え?日本人なの?日本行ったことがあって、寿司も美味しかったけど、大戸屋のランチとモスの野菜バーガーも一緒に流行るべきだと思うよ。”

そんな話題を平気で放り込む外国人に日本の外で会ったら、普通に話しちゃいますよね。
旅はこういったささやかな話題の引き出しをたったの数日で、しかもものすごい数で得ることができます。

旅の凄いところは、現地の文化を体で感じることと、現地の文化が話題になること。

例えば、日本語と韓国語はどれほど似てるの?意思疎通可能?の質問には日本人はだれでも答えられますが、世界のほどんどの人は知りません。

国内外問わずに自分の日常が話題になるので、お互い話しやすいんです。
距離が離れれば離れるほどその違いは顕著になり、それだけで一晩まるまる話せるほどの話題の量になります。

そして、同じ土地を旅するもの同士だと、自然と今日はどこいったの?どの町がよかった?この近隣に美味しいお店ある?などといった話題は自然とどんどん湧き上がってきます。
(私が旅の計画を立てるときは、だいたいほかの旅人が熱弁したところに寄るプランをを現地で混ぜ込んでいます)

ドミトリーやバックパッカーの多いホステルに泊まったことがある方だと、ロビーやキッチンで”集会”を見たことがあるかもしれません。
あそこにいる人たちの話題の7割はこういった話題で、とても話しやすいんです。
(詳細は7章、ホステルや旅先でのコミュニティーの入り方で紹介します)。

また、全員いろんな国から来ていることと入りやすいトピック、英語ネイティブだけじゃない旅人の集まりは、とってもいい英語の勉強にもなります。

全員が全員語学に堪能ではないので、別にうまく喋れなくても誰も気にしません。
これ何て言うんだっけ?と現地で慌てて調べた単語は、一発で覚えてなぜか忘れずにいます。

そして、旅先という非日常の相手の話に純粋な興味が湧くので、会話を純粋に楽しむことができます。

メリット3:ミニマリストになれる。物欲が消える

旅に持って行ける荷物は限られています。

特に移動が多かったり、期間が長かったりすると、必要なものをすべて揃えながらも最大限身軽である必要があります。

すっかりおなじみになったLCCの格安航空券の荷物は別料金。
期間を問わずに7kgで収められれば余計な出費も抑えられるし、ロストバゲージなどのリスクも避けられます。

荷物を詰める時は、あれも必要かな?これも必要かな?とアレコレ詰めてしまいがちですが、

長旅だからと小さなバックパックにとぎゅうぎゅうに詰めた荷物も、
結局使わずにお土産を入れて帰りたいから荷物を途中で捨てたり譲ったりする事も多いんです。

旅に必要な荷物は、そんなに多くない。

これが無いとダメだと思っているような服やコスメがなくても誰も気にしない。
そもそも誰も私を知らない。

サッとまとめてサッと動ける快適さと、なんだかんだ必要なら現地調達できることがわかれば、荷物が少ないことは何も怖くありません。

なんども旅を繰り返すうちに、必要なモノの少なさと、今までなんとなくモノに使っていたお金で異世界が見れるのだからちゃんと賢く使わなきゃという意識が定着してゆき、無理な断捨離なしに自然にミニマリストになりました。

意外となくても困らないモノがほとんどと気づいた後”これ、本当に必要?”と問いただして見ると、自宅にどれだけ不要なモノがあふれているかに驚くはずです。

私自身、10代のフリーターの頃は、雑誌に載っているような数万するバッグと財布、いつ履くの?と言わんばかりの数の靴とブーツ(足は2本だけなのにね)を買い漁ってクローゼットが溢れかえっていたのに着るものがないと言ってました。

ちゃんとしたブランドなのに思ったよりも自分をキレイにしてくれなかったコスメたちが使いかけのままあふれるような生活でした。

ミニマリストとは真逆の状況だったのですが、2度目の旅が終わった19歳の夏に過去の遺産をすべて売り払い、それ以来模様替えなしでもクローゼットが埋まったことはありません。
こうなるまでに、努力や苦痛はゼロ。ただ、旅の魅力が勝ち続けちゃっただけなんです。

メリット4:お金の使い方を大幅に見直すことができる

旅って高いんでしょう?そんな思い込みはぜひ吹っ飛ばして欲しいです。

2020年だけで話せばコロナの影響で旅がしづらいですが、そうでない限り日本人が東南アジアに行くために必要なのは航空券3万と現地滞在費1日2000~3000円だけです。
3連休での東南アジア旅行は4万円で全部賄えます。

東南アジアなら食事は美味しくて安全なまともな食事が50円から150円で可能です。
ドリンク付きでも200円。冷房のついた綺麗なレストランならちょっと高くて…400円。
ちなみに宿はドミトリーなら800円、個室なら1800円くらいです。

中東、シルクロードなど、私の行った2~3ヶ月の旅はそれぞれ1回総額20~30万ほど。
2~3ヶ月、5~6カ国渡ってこの程度なんです。

東南アジアに関しては2~3ヶ月の長旅でも総額15~20万ほどでいけます。
一生語れる思い出と、信じられない量の発見、経験がぎゅっとつまった3ヶ月が20万。
もう一と言います。一生残る思い出と学びにかける金額だとしたら、とても価値があると思いませんか?

普段何気なく使っているものの価値が違う、同じ金額で使った時の得るものの種類が違う
物欲が消えるだけでなく、旅はお金の使い方と貯め方を根本的に変えてくれます。

1日の滞在費が、1回の飲み会すべてで賄えます。
毎年買い換えていたコートをもう1年着るだけで、全く未踏の地へ行ける航空券が買えちゃいます。

また、旅中に両替する金額やそれぞれの国の予算を計算しなければいけない状況を何度か旅の途中に経験するので自然にお金の管理の練習もできます。

この小さな管理を何度も繰り返して行くうちに、
日常の収支の管理やお金の流れの把握もびっくりするくらい簡単に見えるようになるはずです。

メリット5:なんとかなる。の楽観性が骨の髄まで身につく

旅にアクシデントはつきものです。
日本ほど何もかもが時間通り、計画通りに行く場所なんて世界ではまずありません。

出発時間のわからない駅で切符を片手にアナウンスがないまま何十分も待たされたり
道が閉まってたり、お店が閉まっていたり、ホステルの予約が取れていなかったり

…そんな小さなハプニングはどこでもあります。

そんな時どうするかをその場で急いで考えて決める決断力と、
計画を変えたり、予定が狂ってもなんとかなる柔軟性が勝手に身につきます。

旅をしていると、ぼったくりや悪い人がいい人のふりして近づいてくることがあります。

全員を信用してはいけない環境。誰が悪いかもわからない。
その中でも、警戒していた自分がバカみたいに思える”ただのいい人”に会って拍子抜けすることもたくさんあります。

信じるか信じないかは自分の直感次第。
知らないのはお互い様。
トラブルなら逃げて、ラッキーなら感謝。

そんな期待しない決断を短時間で何度も何度も繰り返さなければいけないことが旅にはとても多いんです。

なんかよくわからないけど、無事になんとかなった。

この経験を繰り返してゆくうちに、なんとかなるの楽観性がどんどん身につき、日常に帰ってもまぁ大丈夫だろうといろんなことを気軽で柔軟に試せる力がついているはずです。

なんとかなるを体験レベルで解っていると、いろんなことが本当に楽になり、身軽で気軽になれますよ。

デメリット1:高い中毒性と影響力、あと、胡散臭い。

敬虔な旅人として、個人的な一番のデメリットは”無かった頃に戻れない”こと。

旅先でのあの情報過多すぎる新しい環境や人との会話、経験の刺激は中毒性が高いと思います。

旅の刺激に魅了されると、どんどん旅の優先順位が高くなってゆき、気づいたら時間もお金もエネルギーもだいぶ旅に回っている。なんてことも。

日常に帰っても、自分の訪れた国の料理が急に恋しくなって訳のわからないエスニックを探し出したり、

休暇や貯金の計画がどうしても旅中心になったり、
勝手にミニマリストになったり、メディアやファッションから遠ざかってどんどんスナフキン化していったり。

…影響力が強いんですよね。私は旅人って一種の宗教だと思っています。

自然回帰とか、シンプルライフを極めすぎた世捨て人や、ヨギーやナチュリストが多いことも事実です。
若干胡散臭いんじゃないかなと思っています。

他にも、物価の安い国なのに野菜や日用品を盗んだり、拾った穴の開いた服とか着てる浮浪者みたな格好な旅人とは同じ旅人でも正直一緒にされると困ります。

彼らは旅人とはサバイバルであるべきみたいな価値観があったりするので、そこは触れずに違う宗派として扱っています。

デメリット2:合う・合わないの個人差が大きい

 
旅のスタイルはさまざまです。誰にでも合うようにデザインできるのも旅ですがそれでも100%全員にハマるかと言われればNoです。

行く場所、泊まる場所、現地の過ごし方はそれぞれカスタマイズすればいいとは思っていますが
それでも未知の土地を1人または一緒に行く数人のみで歩くことになります。
メニューを見ても訳わからないところで食事をとることもあります。

どれだけ旅人が熱弁しても、相性はあります。まずは短い期間で試してみることをおすすめします。

もう帰りたい、こんなの最悪だ。2度とやるか。
そうなるのも経験。それでオッケーなんです。無理する必要はないのです。

デメリット3:常識がちょっとずれる

 
ドミに泊まりホステルのロビーのお喋りに参加するスタイルの旅をしていると、まぁ変わった人の多さにびっくりすることでしょう。

様々な場所から、様々な背景を持った人が集まる旅先で、自分の知らないことが当たり前に起きては去ってゆく光景は最初は大きな驚きです。

旅の持ち物で必ず自宅に置いていかなければいけないものが、常識。

どんなに納得いかなくても”ここは日本じゃないよ”で片付けられる海外で
常識を持てば持つほどしんどくなります。

いろんな人に会い、自分の常識や固定概念がどんどん崩れてゆく経験も多くあります。

そんな中で、一度崩れてしまうと若干ずれてしまうのが常識。

日常に帰った時に、今まで見てきたものがちょっと違うように見えたり、周りの言っていることが同じように解釈できなくなっているかもしれません。

当の本人はそれで満足しているので、その乖離が生じるということがデメリットですが、実害はあまり感じません。
(私はこれはむしろメリットだと思っていますが、たまに周りの大人がうるさいのでデメリットと扱って起きます。)

あと、旅の話を旅人じゃない人にしているうちに勝手にひとりで盛り上がっちゃって変態みたいに扱われる現象に誰か名前をつけてください。

デメリット4:他の趣味が減ったり、おろそかになる

旅をするとよくも悪くもミニマリストになります。

そうすると、今まで使っていたお金はもちろんのこと、時間や習慣にも変化が出る人がいます。

私は、旅を始めて以来ドラマや映画、ゲームなどに興味がすっかりなくなってしまいました。

理由はわかりませんが、思い出として手元に残らないストーリーへの興味がぱたりと消えてしまいました。国に関係なくメディアの話にもすっかり疎くなってしまいました。

また、15~17歳のフリーター時代の友達からはずいぶんと地味になったと言われます。
毎月変わっていた髪の色も今ではすっかり地毛の黒です。

まとまった時間と予算を割く趣味だったので、社会人になりたての最初の数ヶ月は週末の2日の休みが毎週来るの困ると散々言っていました。
(できることなら週6で働いて休みを積み上げて2ヶ月とかまとめて休暇を取りたかったけど、無理だったので…)

純粋に違いや体験の反動で小さいことが気にならなくなるからだと思うのですが、
短い時間の使い方に迷ったり、趣味や嗜好が変わるかもしれません。

これは学生だったり長期の旅を繰り返す人に顕著に出ると思っています。

デメリット5:若干人間不信になる

結構旅先に多いのが、いいひとのふりして騙してくるぼったくり。

滅多に起きませんがひどい時は身の危険が伴う場合もあります。
誰が安全かを知らない土地と文化と言語のなかで見分ける必要があります。

そのような状況になると、あまりに親切な人や流暢な日本語で話しかけてくる人を見ると勘ぐってしまいます。

荷物を運んであげるよ。などと言われると、荷物を取られるのか運んだ後にサービス料を請求されるのか。ふーむ。と親切に喜ぶ余裕がない事も。

たまに本当にいい人だったりするのでその時は疑った自分がちょっと嫌になります。

警戒しすぎてせっかくのご厚意を無駄にしてしまうとこれもまた残念。

自分を守ることと冒険して学ぶこと、そして楽しむことのバランスの決断が求められる旅の副作用です。

***

上で紹介した5つの他にも、旅のメリットはたくさん。

言うまでもなく、今までに見たこともないような景色や街の景色に見とれたり
何度もテレビやネットで見てるあんな景観や建物も、自分の目で見て自分の手で触ったときの感動は別格です。

5感を全部使って知らない土地を楽しむことで得られる思い出は一生モノ。

いきなり時間をとって長旅はできなくても、
仕事の合間を縫ってちょっとした非日常な場所や人に出会うことでも心や体がスッキリするものです。

そんな中でも、やっぱりたっぷりと時間をとって陸路で何カ国も渡り歩く大冒険はかけがえのない経験となるので何歳からでも一度は試してみるべきだと本気で思っています。

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